<ドクターエディ・ラボ>よく耳にするサラミ法について (3)サラミ論文の何が問題なのか?

■2013年05月08日


 

アカデミック・コミュニケーションの教授、Dr. Eddyが医学論文のジャーナル投稿に関するイロハをやさしく解説するドクターエディ・ラボ。シリーズ4では研究に従事している人ならよく耳にするサラミ法について説明します。
よく耳にするサラミ法について
(3)サラミ論文の何が問題なのか?
 

 

これまでサラミ法について説明してきましたが、ここで改めてこのサラミ法の何が問題なのかについて考えてみたいと思います。

(1)サラミ法の何が問題なのか?①キャリアに影響

サラミ法は、学問の世界では有名なこの言葉「研究結果を出せ、さもなければ消えよ(publish and perish)」という文化から生じたものであると考えられいます。
この言葉の意味からもわかるように、サラミ法は出版数を増やすために研究者が取り入れる手法として広く認識されているのです。
短期的なキャリアで見れば、科学者や研究者はサラミ論文により履歴書に膨大な数の論文を掲載できるおかげで、本来よりも早いキャリアアップや、本来よりも多い助成金を受け取れるようになるかもしれません。
しかし、サラミ法はそれぞれの論文の価値を下げので、長期的なキャリアを考えると、害を及ぼしかねません。
サラミ出版を行うことで長い論文リストを付け足せるかもしれませんが、もし委員会が研究本体を調査することになれば、彼らはその研究自体に十分な実態がないと結論付ける可能性があるはずです。

 

(2)サラミ法の何が問題なのか? ②研究への損害

2つ目はずばり研究への損害です。
不要な出版と情報の繰り返しは文献数を増やすだけで、決して知識量を増やすことにつながりません。
むしろ、論文を読む読者に誤解を与えてしまいます。
なぜなら、1つの研究対象グループから出た密接に関連するデータが数本の論文に分割されて発表されていたとしたら、その複数の論文のうちの1つにしかアクセスしない読者は研究結果を誤って解釈することになりかねません。
もっと言えば、重複する報告は1セットの研究結果に対し本来の価値以上の重要性を付与する原因となるかもしれません。
たとえば、冒頭に挙げた例の中で、産院の為の新しい治療処置についてのメタ分析をしている別の科学者は、この治療処置は1度ではなく2度研究されたと誤った見方をするかもしれません。

 

なぜサラミ法が問題となるのかを、2つの理由をあげて説明しました。
次回の最終章では、“複数の論文に1つの研究を報告することは常に間違ったことであるのか”という視点から説明します。

 

次回記事

<ドクターエディ・ラボ>よく耳にするサラミ法について(4)複数の論文に1つの研究報告が可能な場合

過去記事

<ドクターエディ・ラボ>よく耳にするサラミ法について(2)サラミ法の見分け方

<ドクターエディ・ラボ>よく耳にするサラミ法について(1)サラミ法とは?

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