医院の借入 3つの鉄則 vol.5

■2013年04月09日


 
鉄則3.融資条件を有利にする(2)財務能力について

 

金融機関の仕事は「お金を貸すこと」ではなく、「お金を運用すること」

「金融機関は金貸しなのに、なぜ貸してくれないのか」という質問がありますが、それは医院の財務能力(=返済能力)が低いからです。返済能力が低い医院にお金を貸しても、運用益が出ないため、金融機関はお金を貸しません。
「他の医院より、金利が高いのはなぜか」という質問がありますが、それも財務能力(=返済能力)が低いからです。返済能力が低い医院から早めに運用益を出す(=早期に回収する)ために金融機関は金利を高く設定します。

 

「財務能力」とは返済能力

財務能力とはキャッシュフロー(事業活動における現預金の増減)から算出された借入返済能力をいいます。
借入返済能力としてのキャッシュフローは次の項目から計算されます。

・営業利益
・売掛金残高(保険請求残、窓口未収金)の増減
・商品残高の増減、買掛金残高の増減
・既存の借入返済額

借入返済能力としてのキャッシュフローを判断する上で、財務情報が適正に開示されているかも重視されます。

試算表や決算書などキャッシュフロー計算の基礎となる財務情報が恣意性や仮装性が存在するのでは本当の返済能力を測れないからです。

 

担保能力には上限があるが、財務能力は高められる

院長や医院等の個人保証や不動産、保険請求債権、定期預金など担保能力には上限がありますし、担保に依存した借入は個人の財産リスクを高めます。

それに対して、キャッシュフローや財務情報の開示を強化すれば財務能力は高まるので、財務能力には上限がありません。さらに財務能力の向上は金融機関自体の存在意義すら無効化し、医院の交渉力を高めることにもなります。

 

財務能力を高めるとは、キャッシュを増やし、財務情報を適正開示すること

キャッシュを増やすには

・利益を増やす
・利益とキャッシュのズレを抑える

 
財務情報を適正開示するには

・会計基準に基づき会計処理をする
・試算表作成を早期にする

 

利益を増やす例

・設備投資により、医療サービスを維持・成長させる
・職員教育により、医療サービスを維持・成長させる
・設備投資の投資判断を誤らない
・職員の定着率を高める
・医療サービスに貢献しない固定費を削減する

 

利益とキャッシュのズレを抑える例

・借入返済額を減価償却の範囲内に抑える
・窓口未収金を早期回収する
・不良在庫、遊休資産、投資資産を持たない

 

財務情報を適正開示する例

・中小会計要領等の会計基準に基づき会計処理する
・自社の会計データ入力により、試算表を作成する
・10日、25日、末日ごとの資金繰り表を作成する
・減価償却、賞与引当金を試算表から見積計上する
・売上、仕入、給与の発生主義を徹底する
・リース債務、退職給付引当金など簿外債務を計上する

顧問税理士のサポート力を強化することも、財務情報の適正開示をする上で有効。
顧問税理士によるサポート例は

・中小会計要領チェックリストの決算書添付
・税理法33条の2(添付書面)の申告書添付
・金融機関との定期的な打ち合わせ

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