<ドクターエディ・ラボ> 研究課題を決める(1)So what? に答えよう

■2012年10月09日

アカデミック・コミュニケーションの教授、Dr. Eddyが医学論文のジャーナル投稿に関するイロハをやさしく解説するドクターエディ・ラボ。シリーズ1では研究の一番根っこである、研究課題の決め方を解説しています。
 

(1)研究課題がわるい論文は受理されない

 
あなたが研究を行い、論文を書く意義はなんでしょうか?それは当然、既存の学問に新しい知識を追加すること、大きく言えば科学と人類の発展に貢献することですよね。ほんの小さな発見であっても、これまで誰も知らなかった事実を論文として提示することで、あなたの発見は科学の発展の布石になるわけです。そのためには、研究課題は、今ある知識に新しい事実を付け加えられるようなものである必要があります。
そのため、医学ジャーナルは研究テーマが明確に定義されている論文を掲載する可能性が高くなります。逆に言えば、研究課題が不明確な研究論文は、じっくり吟味された内容ではないと判断されてリジェクトの対象になりがちです。研究を始める前に、まずはあなたの研究課題(リサーチクエスチョン)が意義のあるものかどうかをしっかり見極めましょう。
 

(2)課題のよしあしを判断する問い“So what?”

 
ここで、自分が設定した研究課題にちゃんと科学的意義があるかどうかを確かめるための魔法の問いを自分に投げかけてみましょう。
 
 
So what? (だから何?)
 
 
これは医学の基礎、臨床研究のどちらでも、また医学以外のどんな研究分野でも使える問いです。
たとえば仮にあなたの研究課題が「優れた外科医の指は長い傾向にあるか」だとしましょう。その場合、その研究結果を読む読者と自分のこんな対話を思い浮かべてみてください。
 
あなた「研究の結果、優れた外科医の指は長い傾向にあった。」
読者「だから、何?」

 
あなたは読者の質問にどう答えますか?「だから、患者が医師を選ぶときに、指の長さを参考にするとよい」、「だから、医師の国家資格試験で指の短い人を避けるべきだ」…うーん、いまいち意義のある答えがでてきそうにありません。読者を納得できる回答が思いつかなかったとすると、この研究課題を追求したとしても科学や人類にとって有益な知識とはならないかもしれませんね。
それでは、研究課題をすこしずらして、「研修医に対する手先の器用さのテストは外科手術のパフォーマンスを予測するか」という研究課題にしてみてはどうでしょう。仮に「予測する」という結論が出た場合、
 
あなた「研修医に対する手先の器用さのテストは外科手術のパフォーマンスを予測する」
読者「だから、何?」
あなた「だから、外科手術スキルトレーニング・プログラムの中に、器用さを向上するプログラムを付け加えるとよい」

 
などといった、回答がありうるかもしれません。これなら有意義な知識として使えそうです。
 

(3)研究の意義がみつかるまで、自問自答しよう

 
あなたが設定した論文の研究課題の仮説に対して、So what?と納得できるまで問いかけてみましょう。問いかけてみて出てくる答えは、興味深く重要で、有意義なものでしょうか?もし有意義な答えがみつかったら、あなたの研究課題は追求される準備ができています。
 
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