<ドクターエディ・ラボ> 出版バイアスによる研究発表への影響(3)バイアスの種類について

■2013年03月04日

アカデミック・コミュニケーションの教授、Dr. Eddyが医学論文のジャーナル投稿に関するイロハをやさしく解説するドクターエディ・ラボ。
シリーズ3では出版バイアスによる研究発表への影響について説明します。

前回は出版バイアスが起こる要因について説明しました。今回は出版バイアスの他にも、別の種類のバイアスが存在しています。その特性と対処法について、1つ1つ説明していきたいと思います。

 

(1)出版バイアス

特性:ネガティブな結果の研究よりも、ポジティブな結果の研究が受理されやすい
対処法:研究のネガティブな結果が、出版バイアスの打破に役立つことを指摘して、その研究によって変化をもたらせることができる可能性のある成果や見解を具体的にあげる。現在では、ネガティブな結果のみを主に出版するジャーナルも存在している

 

(2)タイムラグバイアス 

特性:ポジティブな研究結果はネガティブな研究結果よりも早く出版されるおそれがある
対処法:なぜその研究が遅れることなく発表べきだと思うのかを主張する

 

(3)多重出版バイアス 

特徴:多重出版は、複数のネガティブな結果あるいは支持されていない結果よりも、1つのポジティブな結果、あるいは支持されている結果で起こる可能性が高い
対処法:すでにポジティブな結果を取り上げた論文を出版済みならば、根本的に異なる見方や分析を提示できない限り、同じ結果を使用して別の論文を出版しない。もしくは、出版することができても、最初の論文と相互参照させる

 

(4)ロケーションバイアス

特徴:ポジティブな結果を報告する研究は、ネガティブな研究結果よりも、影響力が強く、広範囲に配布されるジャーナルに掲載される見込みが高い
対処法:第一に、高いインパクトファクターのジャーナルに躊躇せずに投稿する。ロケーションバイアスの主要な原因の1つとして、必ずしもネガティブな結果の研究をリジェクトするとは限らないのに、著者はそれらをインパクトファクターの低いジャーナルに送る傾向があることが研究の結果確認されている。第二に、インパクトファクターの高いジャーナルに投稿する際、いかにその論文がジャーナルの領域と読者に適しているか、なぜネガティブな結果が重要なのか、いかにその研究結果が既存の常識を変えるか、また、なぜあなたの研究が広範囲な読者に読まれることが重要なのかを説明する

 

(5)引用バイアス

特徴:研究者はネガティブな研究結果よりもポジティブな研究結果を引用するおそれがある
対処法:研究に関連するネガティブな結果に遭遇した場合には確実に論文の中で言及する。査読者がバイアスではないかと疑うことにつながりかねないので、自分の研究結果を支持する研究だけど引用することはしない

 

(6)言語バイアス

特徴:出版された研究の言語は研究結果がポジティブかネガティブかに依存する。ポジティブな結果の研究は英語のジャーナルに出版されるおそれが高い
対処法:自分の研究結果は世界の読者にとってどう関連性があり、なぜその人たちに読まれる国際ジャーナルに出版されるべきであるかを説明する

 

(7)結果報告バイアス

特徴:多様な成果が出た研究に従事する研究者はネガティブな成果よりポジティブな成果を報告するおそれが高い
対処法:ポジティブであれ、ネガティブであれ、研究に関連するいかなる成果も報告する

 

(8)確証バイアス 

特徴:たとえば査読者やジャーナルの編集者などの意見や仮説に順ずる研究結果は出版、もしくは出版に推薦されるおそれが高い
対処法:そのジャーナルに出版された先行研究に研究を関連付ける。研究結果が過去の意見や広く浸透した意見に反する可能性があるかを説明する。自分の研究がどのように問題提起または既存の見解を変えるのかを強調する

 

(9)出資バイアス

特徴:研究の結論はスポンサーの製品に有利なように偏ること。つまり、その研究スポンサーの利益に反する研究結果は決して出版されない
対処法:全ての研究データにアクセスし、そのデータを分析し、独自に研究方法の選択をし、原稿の準備や投稿の最終決定件を持つなど、スポンサーがあなたの研究の結論に影響を及ぼすことがないようにする。出資元と、利益相反については常に公表する。出資元を公表している原稿は、公表していない原稿よりも出版される傾向にある

 

このように研究において、様々なバイアスが存在しています。この各バイアスの特性をしっかりと認識し、それぞれに対応した対処法を実行することが重要です。また、もし可能であれば、論文を出版する際には、ジャーナルの編集者へのカバーレター内でその研究の重要性を取り上げつつ、直接的に対処することが1番だということも覚えておきましょう。

 

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