<ドクターエディ・ラボ> 出版バイアスによる研究発表への影響(2)出版バイアスの要因とは?

■2013年02月18日

アカデミック・コミュニケーションの教授、Dr. Eddyが医学論文のジャーナル投稿に関するイロハをやさしく解説するドクターエディ・ラボ。シリーズ3では出版バイアスによる研究発表への影響について説明します。
前回、出版バイアスとは何かについて説明しました。この出版バイアスが生じる背景には、それぞれ異なる要因に起因していることにあります。その要因は主に3つあります。

 

(1)研究者によるバイアスの要因 

1つ目は、研究者による要因です。研究者は、ポジティブ、あるいは有意義な結果が報告できない論文は、ジャーナルにリジェクトされる可能性が高いと思ってしまいます。そのため、研究者は有意義ではない論文投稿をせず、数多くの研究が未発表のままになってしまうという問題が生じてしまいます。この論文投稿関連の偏りのことを、“お蔵入り問題”ともいいます。当然、お蔵入りされた研究論文は未発表のままとなってしまいますので、ネガティブな結果を伴う研究結果は世に発表されません。そうなると、研究結果の報告には偏りがでてきてしまうのです。

 

(2)ジャーナルによるバイアスの要因 

2つ目は、ジャーナルによる出版バイアスです。ジャーナルにおいてネガティブな結果はあまり引用されないおそれがあり、またネガティブな結果を伴う研究はジャーナルインパクトファクターが低くなることがあるので、ポジティブな結果の研究論文の出版に偏る可能性あるのです。
ここでいうポジティブな結果というのは、たとえば、臨床研究における新しい研究の手法や治療方法が、従来のものと比較したときに、より優れているという結果を指します。一方、ネガティブな結果というのは、この反対で、優れていない結果あるいは世の中の期待に答えていない結果のことを指します。
ジャーナル側からの立場を考えると、期待に添えなかったネガティブな研究結果よりも、世間の関心を集めたポジティブな研究結果を出版するほうが意義があると考えられているのでしょう。

 

(3)スポンサーや出資者たちによるバイアスの要因

3つ目は、研究のスポンサーや出資者たちによるバイアスです。彼らは、自分たちの利益に有利な結果に偏る可能性があります。実際にスポンサーが自分たちにとって不利益をもたらす研究結果の公表を抑えたり、また、産業界出資の研究結果においては、独立機関が出資または実施した研究よりも、相当多くの研究がポジティブな結果を出していることがわかっています。
このように、つながりの深い研究者、ジャーナル、出資者たちによる3つの要因によって立ちはだかる出版バイアスの壁がネガティブな研究結果を外に追いやっているのです。

 

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