アーネストコラム「酒酒落落」 医療通訳者アビー・ニコラス・フリューさん「一般通訳と医療通訳の違い・通訳の際に気をつけておくこと」

■2013年07月31日

 

医療通訳ということは最低2言語以上に堪能で、しかも医療用語や表現にも慣れていなければなりません。そこには「語彙・話す・聴く・読む・書く」の五つの能力に加えて、言語を超えた通訳能力が必要です。
その能力とは何か、例を挙げてみます。これは、一般的な通訳と医療通訳との違いともいえることです。

MICかながわの医療通訳は単体で活動し、活動場所は病院の診察室や薬局です。そして通訳を必要とする対象も一人です。対象となる患者さんは医療知識を持っていない可能性が高く、加えて病気をお持ちだということで難しさは増します。いかに手さぐりでコミュニケーションをとっていけるかが重要になってきます。

では実際に医療通訳を行なう際、どのようなことに気をつけているかというと…。

仮に、患者さん一人と医療従事者と通訳者の三人で診察が進められるとします。通訳者は患者さんの発言と医師の発言の両方を通訳する、つまり一人で二役を務めます。そこでまず大切なのは内容が正確であること、それを最初から最後まで維持するということです。

具体的には順次通訳していく方法(逐次通訳)をとり、同時通訳は行ないません。逐次通訳とは、医師または患者が話している間、通訳者は黙って聴き、切りの良いところで話を止めてもらい通訳し、その後再び話を続けてもらうという方法です。

そして通訳をする際には、一人称を使います。例えば患者さんが “I think I have a fever.”と言ったら、通訳者は「私は熱があると思います」と医師に伝えます。「患者さんは『熱があると思う』と言っています」とは訳しません。
こうすることで患者さんと医師が直接やりとりしているかのような雰囲気が作られ、患者さんの精神的な自立と責任感を促すことに繋がります。

 

 

通訳者にとって、元の文章の編集や自分の考えを反映させることはタブーです。思ったことを足したり引いたり、変えたりしないというのが鉄則です。
加えて、誤解され易いことばや表現は避けるようにします。通訳者は複雑な構文や言い回しは使わず、それでいて正確性を失わずに通訳出来るよう訓練しています。表現に多少の不自然さがあっても、誤解を生んで何度も聞き返したり、やり直したりするよりはずっと良いためです。
例えば “It isn’t.”と言うのではなく “It’s not.” を使う、“You aren’t going to ….” ではなく “You’re not going to ….” と言う、それにより肯定か否定の紛らわしさを減らすことが出来ます。そんな風に分かっていても実際にはなかなか出来ないものなので、普段から訓練や練習を行なっています。

通訳者は基本的な医学知識をより多く持っている方が、患者さんに分かり易い言い方が出来るのは当然のことですが、その一方医療の事は医師に任せるのも当然です。通訳者が医療の専門用語ばかりを言い並べても肝心の患者さんが理解出来なければ、それは通訳者の自己満足となってしまいます。誰のための通訳なのかを常に念頭に置く事が大切なのです。 (続く)

 

★「医療通訳」と「MICかながわ」について、英文でもご執筆いただきました。
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