ジャーナルにおける査読と編集者の意思決定(3)査読者の選別から査読の種類まで

■2013年06月24日


 

アカデミック・コミュニケーションの教授、Dr. Eddyが医学論文のジャーナル投稿に関するイロハをやさしく解説するドクターエディ・ラボ。シリーズ5では、査読のプロセスからジャーナル編集者による最終決定まで詳しく解説します。
ジャーナルにおける査読と編集者の意思決定(3)査読者の選別から査読の種類まで 

 

(1)査読者の選別

まず一次審査を通過すると、原稿は査読者のもとに送られます。一般に、最低2人(多いときは6人まで)の査読者が査読のために選別されます。理想としては、査読者はその研究分野における専門家が望ましいとされています。ジャーナルは通常、質の高い査読をした実績を持つ査読者の人員を確保しています。査読者の選別方法としては、査読者として見込みがあるかを判断するために参考文献一覧に目を通したり、カンファレンスやセミナーで出会った研究者へ連絡を取るなどしています。
多くのジャーナルは査読の割り当てをする前にまず、査読者候補らに「その原稿の査読をする意向があるか」をたずねます。その際、ジャーナル編集者は編集者は【その研究領域で高い専門的知識を持ち】、【原稿を公正に評価できる】という点を重要視し、査読者の選考を慎重におこなわなければいけません。
したがって、“技術的に高度な論文”や“限定的な学問領域の論文”は、ジャーナル編集者がそれにふさわしい査読者を探し出すにはかなり時間がかかる恐れがあり、通常より査読に時間がかかるケースもあります。

 

(2)査読者の指名

査読者選定の際には、“希望する査読者”と“希望しない査読者”を指名するオプションを著者に与えるジャーナルもあります。このオプションがある場合、著者は利用した方がジャーナルが査読者を探す時間を省けるため、査読プロセスがよりスムーズに円滑に進められるというメリットがあります。そのうえ、著者が推奨した査読者はジャーナルが推奨した査読者よりもアクセプトを薦める傾向にあるという研究結果もあります1,2

 

(3)査読の種類とは

査読は全ての査読者が原稿へのコメントと、推薦結果を含む詳細な報告書をジャーナルに送って完了します。一般的には3、4週間以内に査読を完了するようジャーナルは査読者に依頼します。しかし、この期限を守るように査読者に強制する仕組みがあるジャーナルは少ないため、査読プロセスにどの程度の時間がかかるかを予測するのは非常に難しいともいわれています。
 
ちなみに査読にも種類があります。以下、ご存知でしょうか?

一重盲検:査読者の名前は著者に明かされない 

二重盲検:査読者と著者の双方に名が明かされない

オープンピアレビュー:査読者と著者の双方に名が明かされる

次回の最終章ではいよいよジャーナル編集者による最終決定についてです。

 

参考文献:

1.Hutchings A (2006). Differences in review quality and recommendations for publication between peer reviewers suggested by authors or by editors. JAMA, 295(3): 314-317.

2.Wager E, Parkin EC, Tamber PS (2006). Are reviewers suggested by authors as good as those chosen by editors. Results of a rater-blinded, retrospective study. BMC Medicine, 4: 13. doi: 10.1186/1741-7015-4-13.

 

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