Editor’s eye

■2014年07月03日

Meditser 2014 vol.1 page3-4

Editor’s eye

ゼネラルヘルスケア株式会社

Science Postprint Overview

Science Postprintは、医学、ライフサイエンス、環境をキーワードに、関連した多様な分野から論文の投稿を受け付けています。2014年3月末現在、そのうちの16本が、査読審査を経てめでたく掲載に至りました。今後も投稿数、掲載数ともに着々と増加していくものと期待が膨らみます。出版開始から約半年が経とうとする中、総合学術誌としてのScience Postprint の将来の姿を予想すべく、現在出版されている16本の論文の相互関係をビジュアル化してみましょう(図1)。
2014-07-03_170514

論文は大きく「臨床密着型」、「生活密着型」、「社会問題型」、「環境型」、「レビュー」の五つのカテゴリに分類されました。論文は上記カテゴリのどれか一つに分類されるわけではなく、複数のカテゴリと有機的に関連し合っていることがうかがえます。また、多くの論文に、医療分野と何かしらの関連が見られること、著者が居住する地域の抱える問題にアプローチした研究が多いことが、特徴として浮かび上がってきました。次項のEditor’s Choice では、これらの論文からいくつかをご紹介します。

Editor’s Choice

「臨床密着型」の論文として、日本からは、アルツハイマー病患者に適用される抗精神病薬が、高齢者の死亡率を増加させると警告されているにもかかわらず、なお広く処方されている事実が報告されました。また、有機リン中毒患者の救急救命処置と、予後についての報告がなされ(日本)、展着剤として有機リン剤に含有されるポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテルが、消化管に固着し粘膜障害を起こした可能性が示唆されました。このことから、著者らは、有機リン剤服用患者への最適な治療計画立案には、服用した薬物および含有成分を速やかに特定する必要があると指摘します。
そのほか、モロッコからのミソプロストール投与方法の効果と安全性比較試験、スペインからの適切なサイズの経口咽頭チューブ利用に関する報告、内視鏡エコー検査時の安全な麻酔方法の提案などがなされました。
これら「臨床密着型」の多くの論文は、迅速で広範な情報伝達を必要としています。Science Postprint は、ウェブ上でのスピーディな出版と、利用者が無料で全文を読むことのできるオープンアクセスによって、「臨床密着型」のニーズに答えていきます。
次に、著者の居住する地域の抱える問題にアプローチした「生活密着型」の論文をご紹介しましょう。
エチオピアからは、テキスタイル労働者の職業安全に関する知識と実践の調査結果が報告されました。著者らは、労働環境向上のため、安全研修と定期的な査察が必要だと訴えます。地域の労働安全がデータとして明示的に示されたことで、労働環境の改善が進むことを期待せずにはいられません。この他、ナイジェリアの主要産品であるパームオイルを原料にした消火消泡剤の開発、マレーシアのペルリス川河口堆積物の重金属汚染調査報告等がなされています。
日本からは、薬局の患者満足度調査の結果が報告されました。この研究で興味深い点は、アンケート項目それぞれに自由記述を許したことです。二件の薬局とも、「待合室の快適さ」や「プライバシーへの配慮」で高い満足度(90% 以上が「満足」)を得ていた一方、「待ち時間が長いし人が多すぎる」、「雑誌が少ない」、「隣の人に自分の情報が聞かれる」といった不満が見出されました。病気のために訪れる場だからこそ、患者は様々な周囲の環境に敏感です。こうした小さな声を拾い上げていく地道な取り組みこそ、より良いケアにつながるものでしょう。こういった取り組みは、薬局だけではなく、病院や公共施設など、様々な施設、分野への応用が考えられます。Science Postprint は、幅広い分野を対象とする学術論文誌として、研究者が多様なヒントを得られる場を提供していきます。

Future Perspective

Science Postprint は、今後、レビュー論文の知識ベースを強化しつつ、迅速な出版により医療分野の情報伝達を強化・推進していきます。それに加え、地域住民の生活や社会問題、環境問題に密着した最新の情報発信や、それらの有機的で緻密なネットワーク形成を目指します。皆様の熱い思いを乗せた論文を、Science Postprint 上で発表してみませんか?

参考

Science Postprint:http://www.spp-j.com/index.php
独立行政法人国際協力機構「エチオピアの産業構造改革と日本の役割」:http://www.jica.go.jp/topics/scene/20130603_01.html

総合科学学術誌「Science Postprint」の使い方

■2014年07月03日

Meditser 2014 vol.1 page2

総合科学学術誌「Science Postprint」の使い方

ゼネラルヘルスケア株式会社

新しいオープンアクセス誌

総合科学学術誌には、例えば英国のNatureや米国のScienceなどの著明な雑誌があります。また、近年ではPLoS One(米国)という誰もが無料で購読できるオープンアクセスジャーナルが普及し、幅広い分野の論文を受け入れており、査読付きジャーナルとして年間に三万以上の論文を掲載しています。一方、日本やアジアにはこのような科学全般を取り扱った学術誌が見当たらず、先端科学の情報集積の場が存在せず、いわば輸入に頼っている状況でした。情報集積の場が充実すれば、そこに情報が集まり、人材が集まり、資金が集まることが期待されます。例えば、学術誌が主催するシンポジウムやイベントが開催され、そこに人が集まり、メーカーなどのスポンサーが研究者と共同研究を開始するきっかけになるのが、学術論文の役割になりえます。

高品質の論文査読

このような未来を目指し、アジア発の総合科学学術誌として2013年秋に創刊したのが「Science Postprint」です。すでに500名近い研究者(国内200名以上、欧米200名以上)の協力のもと、論文の査読審査の体制が整い、適切な査読審査を実施して論文が出版されています。2014年3月現在、査読前の審査で40%ほどの論文が差し戻しになり、実際の査読では30%ほどの論文がリジェクトになっています。それだけ論文の質を高めるため、研究者の協力の下、査読に力を入れているのです。

企業とのコラボレーションを増やす

Science Postprintでは、企業が研究者との接点を期待し、共同研究などに発展出来ないかと模索するためのきっかけとして、「学術賞」と連携する仕組みをご用意しています。2014年3月現在、2つの学術賞が創設されています。一つは「キャン東洋医学臨床学術賞(CAN Clinical Oriental Medicine Academic Award)」です。株式会社CANは、代替療法の治療院経営と人材教育の事業を行なっており、新たな東洋医学の治療法などを模索する中で、本賞を創設し、研究者の研究を、実践的な臨床に活用したいと希望しています。またもう一つの学術賞は、「リバネス研究費Science Postprint賞(“Leave a Nest Grant” as the Science Postprint Award」です。リバネスは科学教育の普及を目指した教育事業を中心に、先端科学技術の開発を行なっている研究開発部門を持ち、50名近い全社員が理系の修士卒もしくは博士号所持者という特徴的な企業です。日本を含めたアジア、アフリカ、南米などの科学新興国の研究者との関係構築・共同研究を目指し、同賞にノミネートした論文20件に対し1件を表彰するというプロジェクトです。リバネスが供に共同研究したいと思うような研究者が選ばれ、賞金が授与され、場合によっては共同研究に発展したり、様々な場で研究内容のPRがサポートされたりし、論文自体の認知度向上や研究者自体の認知度向上に協力してくれるのではないでしょうか。論文の価値の指標として、引用回数が引き合いになることも多いかと思いますが、まずは世の中に知ってもらい、読んでもらうことが最初の一歩です。そのきっかけになるのが、学術賞であり、Science Postprintとしては引用数向上に繋がることを期待しています。
学術論文をきっかけにして、共同研究に直結する仕組みを利用してみませんか?

学術賞の概要

分野東洋医学(中医学,漢方,鍼灸,整体術,マッサージなど関連分野)
Article TypesResearch Article, Clinical Research Article
賞の内容20万円
受賞者数1名
応募資格Science Postprintに2013年12月20日以降、2014年12月19日までに論文が出版されるか、50件の論文がノミネートするか、どちらか長い期間を対象とする
選考株式会社CANの選考委員会が選考する
分野全研究分野
Article TypesReview Article
賞の内容10万円
受賞者数15件につき1件の受賞者を選定
選考受賞者の決定は、総説に引用されている責任著者自身が著者となっている論文の引用数を定量して、合計の最大値と平均値を指標とし、団体サポートセンターの学術賞選考委員会が決定する

詳しくはWebサイトをご確認ください。
http://www.spp-j.com/

学術論文を執筆する以上は出版倫理への認識を高めることが必要 論文投稿に精通した専門家の力をかりるのも1つの方法

■2014年07月03日

Meditser 2013 vol.2 page13

学術論文を執筆する以上は出版倫理への認識を高めることが必要 論文投稿に精通した専門家の力をかりるのも1つの方法

英文校正・論文校閲サービス エディテージ

盗作、捏造、二重投稿 近年問われる出版倫理

近年、論文出版において盗作、捏造、二重投稿などの不正行為が次々と発覚しています。記憶に新しいとは思いますが、2012年6月には東邦大学の元准教授が1990~2011年までの21年間にわたって国内外のジャーナルに発表した研究論文計212本のうち、少なくとも172本が捏造であるというセンセーショナルな事件1が話題となりました。これは医学論文の捏造件数としては、過去最大規模だそうです。また、同年10月には別の盗作疑惑も浮上しました。読売新聞など各紙が、“iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床応用をおこなった”と報じましたが、英科学誌ネイチャーは、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授の論文などを盗用した疑いがあると報じています2
ネイチャーの調査によると、論文撤回理由の43%が詐欺的行為によるものであり、「生命科学系学術誌における最多の撤回理由は、ミスや重複発表ではなくデータの改竄や捏造を含む詐欺的行為」3と指摘しています。多重出版は14%、盗作は10%で、単なるミスやエラーによるものは21%です。

なぜ盗作はおこるのか? 無意識の盗作に気をつけよう

論文における様々な不正があげられていますが、今回は盗作について取り上げたいと思います。盗作とは、一言で言うと、他の研究者のアイデアや過去の研究業績を、その原著者への言及なく使用することです。実はこの盗作にはいくつかのタイプがあります。大まかに分けると、上で述べたような「意図的におこなわれる盗作」のほかに、「予期しない無意識の盗作」や「自己盗作」があります。
「予期しない無意識の盗作」とは、①参考文献を記述しているときの迂闊なミスによるとき、②研究者が“誰もが知っているような一般的な科学知識”として捉えるよう事柄について、原著者について言及する必要がないと考えたとき、③非ネイティブスピーカーが、本来の意味を維持したまま原著者の言葉をうまく言い換える能力に自信がないとき、などがあげられます。
一方、「自己盗作」は、①以前にいくつかの論文を出版した著者が、それらの論文を組み合わせ1つの大掛かりな論文を発表するとき、あるいは、過去に書いた論文の存在を明確にしないまま書籍をつくるとき、②ある研究を1つのまとまった論文として発表したほうが良い場合でも、著者が同じ分野の研究を違う視点から論じた別の論文を発表しようとして、いわゆる“サラミ論文”をつくるとき、などがあげられます。また自身の論文を引用するときは、引用したことをしっかり明記することも必要です。

投稿時には出版倫理を理解するプロの力をかりるのも手

このように自分自身が知らず知らずのうちに盗作をしているケースもあります。このような盗作や不正行為を防ぐためには、日頃から出版倫理への意識を高めることも必要ですが、出版倫理の問題に対して積極的に取り組んでいる信頼できる専門家の力を利用するのも1つの手です。エディテージは倫理規定を守った出版を行うことは誠実な研究発表には不可欠であると考えています。具体的には、すべての論文が確実に倫理的問題点を考慮した上で校正され掲載されるよう、①「出版の倫理に関するご提案を利用者の母国語にて提供」、②「校正者と投稿エキスパートを出版倫理に基づいて教育」、③「サービス提供中の著者へのガイダンス」の3つのステップを導入しています。論文投稿をお考えの方は是非一度エディテージをご利用してみてはいかがでしょうか?

出典

1)朝日新聞 www.asahi.com/national/update/0629/TKY201206290548.html
2)朝日新聞 www.asahi.com/national/update/1013/TKY201210130160.html
3)Nature www.nature.com/news/misconduct-is-the-main-cause-of-lifesciences-retractions-1.11507
エディテージはカクタス・コミュニケーションズ株式会社のサービスブランドです。

 

会社概要

カクタス・コミュニケーションズ株式会社

〒100-0004 東京都千代田区大手町2-6-2 日本ビル10階
TEL:03-5542-1950 FAX:03-4496-4557
電話受付時間:月~金…11:00~24:00 土…12:30~21:30
http://www.editage.jp/

 



Copyright 2008 GH Japan Inc., All rights reserved.